マイナンバー制度とは
マイナンバー制度は2016年から運用がスタートする制度です。「国民総背番号制」や「番号法」、「番号制度」とも呼ばれます。全国民に個別番号(マイナンバー)を配布して、この番号に基づいて個人情報や社会保障、税金、災害補償などの処理を行うものです。企業は給与を支払っている従業員やその扶養家族、講演や執筆などの業務依頼で報酬が発生した外部の方のマイナンバーを収集して管理していくことなります。
マイナンバー制度をスタートすることによって下記のようなメリットがあります。
- ・国民の各種申請の手間が省ける
- ・行政の書類確認作業の手間とコストが削減できる
- ・公平な社会を実現できる
マイナンバー制度がスタートすることで便利になる反面、企業は秘匿性の高い情報にアクセスできるマイナンバーを扱うことになるため、厳重な管理・取扱いが求められています。
マイナンバー対策で求められる4つの安全管理措置
企業はマイナンバー対策として4つの安全管理措置を求められています。
組織的安全管理措置
- 組織体制の整備
- 取り扱い規定等に基づく運用
- 取り扱い状況を確認する手段の整備
- 情報漏洩事案に対する体制の整備
- 取扱状況の把握、安全管理措置の見直し
人的安全管理措置
- 事務取扱担当者の監督
- 事務取扱担当者の教育
物理的安全管理措置
- マイナンバーを取り扱う区域の管理
- 機器や電子媒体、書類等の盗難防止
- マイナンバーの覗き見防止策
- マイナンバーを持ち出す場合の漏洩防止
- マイナンバーの廃棄・削除
技術的安全管理措置
- アクセス制御
- アクセス者の識別と認証
- 外部からの不正アクセス防止対策
- 情報漏洩の防止
組織的安全管理措置・人的安全管理措置は士業やコンサルタント会社に相談をしましょう。技術的安全管理措置はシステム会社に相談しましょう。そして、物理的安全管理措置は平善が専門家として大阪府泉州地域でお手伝いをしている分野です。
物理的安全管理措置(オフィスのマイナンバー対策)とは?
物理的安全管理措置とはオフィス環境のセキュリティ対策のことで、マイナンバーが記載された書類やデータの盗難防止や、マイナンバーの覗き見防止をすることです。対策しなければいけない項目を一部ご紹介します。
※オフィスの状況や、企業規模に応じて対策は異なります。あくまで参考にしてください。
①マイナンバー制度に対応したオフィスレイアウト変更
マイナンバーは担当者以外に見られてはいけません。担当者の座席の後ろを社員が頻繁に行き来するようなレイアウトでは、マイナンバーが記載された書類やパソコンの画面が覗き見されてしまいます。担当者の座席は社員の行き来が少ない壁際に移動するなどの、レイアウト変更が必要です。
②管理区域の安全管理措置
マイナンバーを保管する書庫やサーバを設置する場所は「管理区域」とされ、マイナンバーが漏洩しないように対策を講じる必要があります。具体的にはマイナンバー事務担当者以外の社員(営業マンや開発)が管理区域に入れないように対策を講じます。今回は対策例を3つ例示します。
例① 入退室管理システムを利用
管理区域に入退室管理システムを設置してマイナンバー担当者以外の入室を防ぎます。高いセキュリティを求められる企業におすすめです。

例② ナンバーロック付ドアを設置
管理区域のドアノブをナンバーロック付きのドアノブに取り替えます。暗証番号を入力しなければドアを開けることができなくなります。

例③ ドア鍵のカギ管理で対応
管理区域のドアの鍵をマイナンバー担当しか利用できないようにして、管理区域への入室を制限します。

③マイナンバーの盗難防止策
マイナンバーを扱う事務作業をする場所(取扱区域)から、マイナンバーが盗難されないように対策を講じる必要があります。いくつか対策を例示します。
パソコンの盗難防止策
セキュリティワイヤー(金属線の強力なワイヤー)をパソコンに接続し、デスク等に固定します。
書類の盗難防止策
帰宅や離席する際には、マイナンバーが記載された紙書類を鍵付のワゴンに保管します。
④マイナンバーのぞき見防止策
マイナンバーを扱う事務作業をするデスクの上の書類やパソコン画面が、社員や出入り業者からのぞかれないように対策をする必要があります。いくつか対策を例示します。
例① パーティション工事
マイナンバーを扱うスペースをパーティションで囲みます。
例② 卓上パーティション
隣や正面の社員から書類をのぞかれるのを防ぎます。
例③ のぞき見防止フィルタ
のぞき見防止フィルタで左右からのパソコン画面の覗き見を防止します。
⑤マイナンバーの廃棄方法
マイナンバーは秘匿性の高い情報ですから、必ず復元できない手段で廃棄・削除をしなければいけません。
書類の場合
書類を手で破って捨てるような廃棄方法はNGです。ゴミをあされば簡単に紙片を集めて復元ができ、マイナンバーが盗まれてしまいます。細かく裁断ができるシュレッダーの利用などが対策として考えられます。しかし、容易に復元できてしまうようなシュレッダーはNGです。
データの場合
データをゴミ箱に捨て、「ゴミ箱を空にする」をクリックするとパソコンの画面上からはデータがなくなりますが、復元ソフトを利用すれば簡単にデータを復元できるのでNGです。パソコンからデータを完全に削除できる方法を検討する必要があります。
オフィスのマイナンバー対策は専門家に相談を
ここまでオフィスのマイナンバー対策について対策例を示しながら説明をしてきましたが、対策は企業によって異なります。
オフィスは会社によって、広さも、レイアウトも異なります。また、中小企業が大企業と同じような対策をする必要はありません。オフィスにどのようなマイナンバー対策を施すかは、企業規模や事務所の環境によって異なります。
自社で対策をしてしまうと必要以上の対策をしてコストがかかってしまいます。また、手間もかかります。
平善は泉佐野市や堺市で定期的にマイナンバーセミナーを開催しているオフィスのマイナンバー対策(物理的安全管理措置)の専門家です。一度ご相談ください。必要最低限の対策をご提案させていただきます。


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